不動産売却で損をしないために!不動産譲渡所得税の計算手順と節税対策を徹底解説

こんにちは。北海道北見市のイエステーション北見店・美幌店を運営している、株式会社しろくま建物管理です。
不動産を売却する際に気になるのが、不動産譲渡所得税などの税金ですよね。
とりわけ、「不動産譲渡所得税 計算はどうすればいいの?」「不動産売却 譲渡所得税が高くなってしまわないか?」などの懸念をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、不動産の譲渡所得税と、その控除・減免措置についてできるだけわかりやすくお伝えします。
「難しそう…」と思われる専門用語も、ポイントを補足しながらまとめますので、ぜひリラックスして読み進めてみてください。


不動産の譲渡所得税の概要

不動産譲渡所得税とは、土地や建物などの不動産を売却して利益(譲渡益)が出た際に課される所得税(及び住民税)のことです。
これは、ほかの所得(給与所得や事業所得など)とは別枠で課税されるので、分離課税と呼ばれています。

所有期間が5年以下5年超かにより、短期譲渡所得・長期譲渡所得に分かれて税率が異なる仕組みです。
例えば短期譲渡所得(5年以下)では税率が高めになることが多いです。これは短期転売を抑え、長期保有を促す目的があるからだといわれています。

復興特別所得税とは

東日本大震災の復興財源を確保するため、2037年まで所得税に上乗せして課税される税金を復興特別所得税と呼びます。
所得税額の2.1%が追加で課されるため、不動産譲渡所得税にも当然影響します。

譲渡所得税の税率 (復興特別所得税を含む)

以下に、不動産譲渡所得税の税率をまとめました。

所有期間所得税住民税復興特別所得税合計
5年以下(短期譲渡所得)30%9%0.63%39.63%
5年超(長期譲渡所得)15%5%0.315%20.315%

不動産所得が赤字のときの損益通算

不動産所得の金額は、その年中の不動産所得に係る総収入金額から必要経費を引いて算出します。
その結果、不動産所得が赤字(損失)になった場合は、ほかの黒字の所得金額と相殺できる仕組みです。これを 損益通算といいます。

ただし、不動産所得の損失のうち、以下に挙げるような損失は損益通算の対象外なので注意しましょう。

  • 別荘など娯楽や趣味を目的として所有する不動産の貸付けで生じた損失
  • 土地等を取得する際に生じた負債の利子相当額(必要経費に計上した部分)

不動産所得が赤字になりそうな場合は、上記条件に当てはまるかどうかを確認したうえで損益通算を検討しましょう。
確定申告では、必要な書類を忘れずに添付することが大事です。


譲渡所得の計算方法

不動産譲渡所得税を計算する際には、以下の式を使います。

譲渡所得 = 収入金額 – 取得費 – 譲渡費用 – 特別控除額

– 収入金額: 売却価格
– 取得費: 不動産を購入したときの価格や各種諸費用の合計(仲介手数料、登録免許税など)。
実額が売却価格の5%に満たないときは、売却価格の5%相当を取得費として認められるケースがあります。
– 譲渡費用: 売却時に必要となった費用(仲介手数料、印紙税など)。
– 特別控除額: 一定の要件に該当するとき、譲渡所得から差し引くことができる控除。

例えば、不動産譲渡所得税 計算において購入時の取得費がはっきりしない場合は、上記のように概算取得費(売却価格の5%)が一般的に適用されます。


控除・減免措置の概要

不動産譲渡所得税には、さまざまな控除減免措置が用意されています。主なものは以下の通りです。

  • 3,000万円の特別控除
  • 居住用財産の買換え特例
  • マイホームの譲渡の軽減税率
  • 10年超所有軽減税率の特例
  • 空き家に関する譲渡所得の特例
  • 相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例

どの控除を適用するかは、不動産の所有期間や用途、購入時期、相続の有無などによって変動します。
主な要件を、下記の表にまとめましたのでご参考ください。

控除・減免措置適用要件適用方法
3,000万円の特別控除– 譲渡する年の1月1日において、その家屋が自己居住用であること
– 家屋と敷地をまとめて譲渡すること
– 譲渡した家屋の床面積が50㎡以上
– 譲渡価額が1億円以下 等
確定申告時に、所定の書類を添付のうえ申告
居住用財産の買換え特例– 譲渡した居住用財産、新たに取得した居住用財産ともに自己居住用
– 譲渡した居住用財産の所有期間が10年以上
– 譲渡後3年以内に買い換えを行う 等
確定申告時に、必要書類を添付して申告
マイホームの譲渡の軽減税率– 譲渡する年の1月1日時点で、所有期間が10年を超えている
– 譲渡所得が6,000万円以下 等
確定申告時に、自動的に適用
10年超所有軽減税率の特例– 譲渡する年の1月1日時点で、所有期間が10年超
– 譲渡所得が6,000万円以下 等
確定申告時に、自動的に適用
空き家に関する譲渡所得の特例– 昭和56年5月末以前に建築された住宅
– 収入金額が1億円以下
– 耐震基準を満たさない家屋 等
確定申告時に、規定の書類を添付して申告
相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例– 相続により取得した財産を譲渡する
– 相続税の申告を済ませている
– 相続開始から3年10か月以内に譲渡 等
確定申告時に、所定の書類を添付して申告

具体的な事例

事例1: 3,000万円の特別控除

10年前に2,000万円で購入した自宅(仲介手数料など諸費用として100万円)を5,000万円で売却したケース。
売却時の仲介手数料は200万円とします。

取得費 = 2,000万円 + 100万円 = 2,100万円
譲渡費用 = 200万円
譲渡益 = 5,000万円 – 2,100万円 – 200万円 = 2,700万円

譲渡益2,700万円は3,000万円の特別控除の範囲内です。そのため、不動産譲渡所得税 0円になる可能性があります。

事例2: 居住用財産の買換え特例

現在のマンションを売却して、新しい一戸建てを購入する場合の例です。
所有期間10年のマンションを5,000万円で売り、3,000万円の一戸建てを入手したとしましょう。

譲渡益は(売却価格 5,000万円)-(取得費など)= 2,000万円(仮定)。
この2,000万円分の不動産譲渡所得税の課税が繰り延べされるため、買い換え時の資金計画にゆとりを持たせやすくなります。

事例3: 相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例

相続で取得した土地を売却するとき、納めた相続税の一部を取得費に上乗せできます。
たとえば、相続税評価額5,000万円の土地に対して1,000万円を納税し、それを8,000万円で売却した場合、相続税の一部が取得費に加わることにより譲渡所得が低くなり、結果として譲渡所得税の負担が和らぎます。


ケーススタディと選び方

こうした控除・減免措置は多岐にわたり、どれを選べば良いのか迷う方も少なくありません。
以下のケーススタディを参考に、ご自身にあった特例を検討してみてください。

ケーススタディ1: 3,000万円の特別控除

Aさんは、15年前に購入したマンションを売却して譲渡益が4,000万円出ました。
3,000万円の特別控除を適用できたことで、不動産譲渡所得税を大きく圧縮できました。

ケーススタディ2: 居住用財産の買換え特例

Bさんは、家族が増えたため住んでいたマンションを売り、新居を購入。
居住用財産の買換え特例により、不動産譲渡所得税の納税時期が繰り延べされたので、資金面でゆとりができました。

ケーススタディ3: 相続財産の売却と取得費加算

Cさんは、相続によって受け継いだ土地を売却し、相続税として支払った部分を取得費に加算。
結果的に譲渡所得が小さく計算され、納税額を抑えられました。


申告・納税方法と必要書類

不動産を売却したら、翌年の2月16日から3月15日までの期間に確定申告するのが一般的です。
電子申告(e-Tax)を利用すると、スムーズに手続きできる場合があります。

– 確定申告時に必要な書類

  • 確定申告書B様式
  • 確定申告書第三表(分離課税用)
  • 譲渡所得の内訳書
  • 売買契約書・領収書など、不動産売却額や取得費・譲渡費用を証明する資料
  • 登記事項証明書 など、各種特例適用時に必要な書類

さらに、不動産譲渡所得税 住民税も忘れないように。確定申告で申告した内容に基づいて、自治体が住民税を計算します。
また、相続や離婚による財産分与、法人による不動産売却など個別性の高いケースでは、税理士や専門家に確認すると安心です。


北海道の確定申告ができる税務署一覧

北海道で不動産を売却した方は、以下の税務署で確定申告が可能です。
北見税務署は北海道北見市にあり、当社が拠点とする地域からも近いので、よろしければ参考になさってください。

税務署名郵便番号住所電話番号
札幌中税務署〒060-8622 札幌市中央区大通西10丁目011-231-9401
札幌北税務署〒001-0031 札幌市北区北31条西4丁目2-1011-746-2161
札幌東税務署〒065-0012 札幌市東区北12条東1丁目2-5011-721-2171
札幌西税務署〒063-0003 札幌市西区山の手3条1丁目1-1011-611-4151
札幌南税務署〒005-0004 札幌市南区澄川4条2丁目1-1011-822-4181
厚別税務署〒004-0052 札幌市厚別区厚別中央2条5丁目3-20011-894-2191
手稲税務署〒006-0811 札幌市手稲区前田1条11丁目1-1011-681-5191
江別税務署〒067-0005 江別市東野幌町3-3011-382-2141
千歳税務署〒066-0057 千歳市幸町4丁目1-10123-23-2151
苫小牧税務署〒053-0022 苫小牧市表町4丁目3-10144-32-3161
函館税務署〒040-8655 函館市大手町7-120138-23-3171
旭川税務署〒070-8634 旭川市宮下通11丁目1748-30166-22-5181
室蘭税務署〒050-8533 室蘭市海岸町1丁目4-10143-23-4191
釧路税務署〒085-8555 釧路市黒金町7丁目10154-23-5171
帯広税務署〒080-8644 帯広市西3条南9丁目10155-24-4161
北見税務署〒090-8566 北見市北6条東2丁目0157-23-2181
網走税務署〒093-8555 網走市南6条西3丁目0152-43-2141
留萌税務署〒077-8655 留萌市花園町3丁目0164-42-3151
岩見沢税務署〒068-8655 岩見沢市鳩が丘6丁目1-10126-22-3171
小樽税務署〒047-8555 小樽市稲穂2丁目22-10134-22-3181
稚内税務署〒097-8655 稚内市中央3丁目13-10162-23-3141

結論

不動産譲渡所得税は、物件の所有期間や控除・減免措置の活用状況によって大きく変わります。
前もってしっかりと調べ、3,000万円の特別控除や買換え特例、相続財産の取得費加算などを上手に利用しましょう。

ただし、税法はとても複雑で、個々人の状況次第でポイントが変わる可能性があります。
「自分の場合、どの方法がベストなのだろう?」と思われたら、ぜひ専門家(税理士など)に問い合わせてみてください。

私たち株式会社しろくま建物管理(イエステーション北見店・美幌店)も、地域の皆さまが安心して不動産売却を進められるよう、情報提供やお手伝いに力を注いでいます。
不明点がありましたらいつでもご相談ください。一緒に最適な道を探っていきましょう!


引用文献

下記は参考とした文献・サイトです。一部を抜粋や要約してご紹介しています。(官公庁のサイトのみ掲出)

  1. No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税) – 国税庁
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm
  2. 土地や建物を売ったとき – 国税庁
    https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_3.htm
  3. No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき) – 国税庁
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm
  4. No.3223 譲渡所得の特別控除の種類 – 国税庁
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3223.htm
  5. No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例 – 国税庁
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm
  6. 資産税関係添付書類等一覧表(令和5年分用) – 国税庁
    https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/topics/check/r05/pdf/25.pdf
  7. A4-1 申告手続き(譲渡所得関係 申告書添付書類) – 国税庁
    https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/joto/annai/1647_01.htm
  8. No.3208 長期譲渡所得の税額の計算 – 国税庁
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
  9. 令和5年分譲渡所得の申告のしかた – 国税庁
    https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki/2023/kisairei/joto/index.htm

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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