第4回 売り出し価格の決定について

 こんにちは、しろくま矢口です。ホームページを改装しよう、と思ってから、更新を止めていたのですが、随分、期間が遅れてしまいました。申し訳ありません。

 前回は、査定での相場の出し方の根本をちらっと書きました。テクニカルで詳しいことは、〜前にシリーズの執筆を終えてから、順繰りに書き足していこうと思っております。

 路線価だ、事例比較法だ、と、書いても、何のことだろう?って思ってしまいますからね。まずは、大筋の理屈を知っていただきたいのですよ。前回も、少々、今回のテーマに関して記しておりましたが、今回は、もっと掘り下げて記していこうと思います。

まず、売り出し価格には、三種類あります。

  • 査定額より高い額での売り出し
  • 査定額での売り出し
  • 査定額より低い額での売り出し

当たり前じゃないか、何言ってるんだ?という方もいるかもしれません。ただ、この三つは、全然ニュアンスが違うし、理解されていない場合が多いのです。

以前も記したかもしれませんが、あえて、また、記させていただきます。

売り出し価格の違いについて

査定額より高い額での売り出し

さて、査定額より高い額での売り出しです。

また、以前と同じことを記しますが、

「査定額が一番高いところに預けるぞ!だから、いい査定額出してくれ!」

と、ご要望されるお客様は多数いらっしゃいます。これが、意味がないのですよ。

何でか、と言いますと、仲介の場合は、不動産会社は、貴方の不動産を買い取ってはくれないのです。あくまで、市場でお客様を探すお手伝いをする、というのが不動産会社の役目になります。

一番高い査定額を出してもらった不動産会社に貴方は気持ちよく貴方の大切な不動産を預けました。

しかし、さっぱり売れません。

単純な話、不動産を買うお客様も、人生最大の買い物をするにあたって、並並ならぬ覚悟をしているわけですよ。

査定額より高い=相場から外れている

という場合、誰が、貴方の不動産を買ってくれますか?という話です。

わかりやすい例で言います。

例えば、ジュース。缶ジュース、コンビニ・スーパー・自動販売機等で販売されていますね。定価は、全国一律でほぼ決まっています。店舗によっては、安売りしている場合もあります。ただ、120円の缶ジュースを、180円で買う人がいますか?という話です。

例えば、断水騒ぎの時なら、2000円でも水のペットボトルを買いたい!という場合もあるでしょう。ただ、住宅・土地で、そのような特需はあまり見込めませんね。

普通のフラットな市場で、そのような特需が見込めるか?という話です。

そんな価格じゃ売れない!とは、申しません。ただ、売却の可能性は、査定額より高くすることで、落ちますよ、ということは認識していただきたいのです。つまり、

「査定額が一番高いところに預けるぞ!だから、いい査定額出してくれ!」

というのは、甚だしくナンセンスだということです。査定額は、「売れるであろう最大限の価格」がいくらぐらいであるか、を出すことだ、というのは、以前記させていただきました。そこより高くしたら、販売可能性は著しく低下いたします。

まず、売れない、と思っていただいても構わないと思います。経験上、かなり確率が低いですね。

ただ、売却可能性が下がる、ということに納得の上で設定するのでしたら、全くもって構わないと思います。ただ、そのことにメリットがあるかは、誰も保証しません。

私どもの販売力が無いから売れないんだ!とおっしゃっても、それだけはどうにもなりません。120円のものを180円で売るために、仲介業者があるわけでは無いのです。

不動産仲介業者はあくまで、売主様と買主様、どちらも公平であるために存在するので、中立の立場に立って、正しいことを伝える義務がございます。

もし、売主様がリフォーム等、価値を増加する行為をするのでしたら、高い価格での売却が可能になるケースもあると思います。ただ、何もしないで、査定額1200万円の物件を、手取り1500万円欲しいから、1600万円で売ってくれ、と言われましても、難しいですよ、という話です。

なぜなら、相場・査定額は、私どもの一存で決まるものではなく、市場が決めるものだからです。その点は、ご理解いただきたく存じます。

査定額より高い額での売り出すことのメリット

  • 高く売れるかもしれない、という期待感を持てる
  • 実際売れたら、手取り額が査定額よりも増える

査定額より高い額での売り出すことのデメリット

  • 売却期間が伸びるもしくは、売却は限りなく不可能
  • 売れないことで、ストレスが溜まる

オススメの方

  • 自己責任で、高額売却を目指したい、という方
  • 売れなくてもストレスが溜まらない方
  • 高額売却を目指す期限を決められる方

査定額より低い額での売り出し

査定額より低い額で売り出すと、どうなるでしょうか?

もちろん、手取りが減ります。100万円のみならず、300万円もらえる額が減る、というのは、悲しいですね。

私は、貧しい時、コンビニのジュースコーナーの前で30分立ち尽くして、買うのを断念して、人目をはばからず涙を流した経験がございます。

300万円と言ったら、2万5000本、ジュース買えてしまいますね。うまい棒換算で言いますと、30万本です。うまい棒が30万本あったら、月にも届くかもしれませんね。わからないですけど。

安くなんか、売りたく無い!!!と、心の声が聞こえます。ただ、安く売らざるを得ない場合もございます。

例えば、債務超過で、14.5パーセントの利息がゴロゴロ回ってしまっている状態。一月放置するだけで、ゴロゴロ借金が増えていく、という時ですね。

こういう時は、債務が消える額で売ってしまった方が良い結果になります。

あと、もう、金に未練はないので、すぐにでも施設に行きたい場合。こういう場合で、安く売却してしまうお客様ももちろんいらっしゃいました。

金額よりも、売却スピードを重視したい、という方は結構いらっしゃるかと存じます。皆様、事情は様々ですからね。そういう方にはオススメであります。

ただ、普通の売却を考えている方は、当然ですが、あまりお勧めはいたしません。

手取りは多い方がいいに決まってますからね。「売れるであろう最大限の価格」を目指しましょう、ということです。

査定額より低い額での売り出すことのメリット

  • 早く売れる

査定額より低い額での売り出すことのデメリット

  • 手取り額が少なくなる

オススメの方

  • 借金等で、早く売る必要のある方または、売らざるを得ない方
  • 金に執着がなく、とっとと売ってしまいたい、という方

査定額で売り出すことの重要性

以上でお分かりになられたと思いますが、査定額より高くても、低くても、普通の一般の売主様にとりましては、あまりメリットが少ない、ということです。ましてや、一番高い査定額を出してくれたところに任せる!というのは、リスクでしかない、ということです。

ただ、一番高い査定額を出してくれたところに任せてしまった、というお客様は結構いらっしゃるのですよ。それは、しょうがないです。以上のようなことを伝えるのが、不動産会社の責務だと思っておりますが、知らなかったら、普通わからないですからね。

ただ、査定額より高く売ってはいけない、低く売ってはいけない、ということではないのです。

査定額を基準として、売主様の自己責任で価格を調整した方がいいですよ、ということです。

高く売れるかもしれないから、3ヶ月はちょっと高めに出して様子を見よう、だとか、イライラするのは嫌だから、査定額よりちょっと低めに出そう、とか、色々その人の都合に合わせて調整した方がいい、ということです。

ただ、査定額から離れすぎた高い値段では、ほぼ売却は不可能、ということだけは、伝えておきます。

査定額で売り出すことのメリット

  • 程よい期間で売れる
  • 相場に近い手取り額が見込める

査定額で売り出すことのデメリット

  • 希望額が査定額より高かった場合、不満が残る
  • 必ずしも早く売れるとは限らない。(ただ、高額売却を狙うよりは、早期売却の可能性は上がります。)

オススメの方

  • 特に事情がない、一般の方。