不動産の親子間売買は一般とどう違う?不動産取得税等の税金・費用はどうなる?メリットや流れ、費用も徹底解説!

こんにちは!北海道北見市・網走市・美幌町の不動産売買専門会社「しろくま建物管理」の矢口です。

不動産の親子間売買は「子どもが親の不動産を購入するケース」と「親が子どもの不動産を購入するケース」の2種類があります。

実は親子間売買は意外と多いものの、注意点を知らずに親子間売買が難しくなってしまうこともあるんです。

今回は不動産の親子間売買の手続き方法や、注意すべきポイントについて解説します!

親子三代

不動産の親子間売買は一般の売買とどう違う?メリットは?

不動産の親子間売買と一般の売買の手続きは、ほとんど違いはありません。

ただし、以下の項目で親子間売買と一般の売買では異なる点があります。

売却価格の決定方法

一般の売買では、周辺の地価に合わせて売却価格を設定しますが、親子間売買の場合は売却価格は売主が自由に設定できます。

ただし、著しく市場価格から離れた売却価格にすると「みなし贈与」として、市場価格と取引価格の差額が贈与税の課税対象となります。

市場価格が分からない場合は、不動産会社へご相談いただくことをおすすめします。

売却から買取までの期間

親子間売買の場合、買主が決まっているので売却までの間が空くことがありません。

一般の売買では例えば住み替えを行おうとする場合、住宅ローンの返済の関係などで現在住んでいる家が売れるまでは次の家の契約ができず、予定が立てにくいという面があります。

親子間売買では確実に売却でき、売却までの時間が短くて済みます。

各種控除

親子間売買では「3,000万円特別控除」「10年超所有軽減税率の特例」「買い替え特例」
「住宅ローン控除」といった、控除や特例を利用することができないことがあります。

「住宅ローン控除」に関しては控除の適用には条件が複数あり、「家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること。」など、すべての条件を満たす必要があります。

詳しくは国税庁のホームページをご覧ください。

No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)|国税庁

住宅ローンの利用

親子間売買では、住宅ローンを断られてしまうケースが非常に多いです。

理由としては親の不動産を子が購入しようとしている場合、いずれ相続するのであれば贈与すれば良いのだから、相続トラブルがあるのではないかと疑われたり、金利の低い住宅ローンを借りて別用途に使われることを懸念している…といったことが挙げられます。

親子間売買のメリット

親子間売買をするメリットは、購入したら相続財産にならないことです。

不動産は均等に分けて相続することが難しいため、親子間売買をすることで正式な手続きを経て整理ができます。

購入にかかる税金も相続税を払うより抑えられる傾向にあります。

ただし、税金の面では生前贈与の方がお得になるケースもあるため、一概に親子間売買が良いとは言えません。

不動産の親子間売買の手続き方法やかかる費用を詳しく!

親子間売買は不動産会社(仲介業者)を通さずに売買することもできます。

不動産会社を間に入れないことで仲介手数料の支払いをせずに済むというメリットがありますが、後々のトラブルを防ぐためにも手順を踏んで売買契約を行うことをおすすめします。

契約に必要な「売買契約書」や「重要事項説明書」の作成のため、不動産会社を通した方が確実です。

手続きの流れは一般の売買の場合とほぼ変わらず、売買契約書を作成して売買契約の締結をし、名義変更を行うという流れになります。

また、親子間売買であっても不動産の売買では税金が発生します。

税金の種類としては一般の売買と変わりません。

売主・買主によってかかる税金や費用は異なるため、ご紹介します。

売主に対してかかる税金・費用

譲渡所得税

  • 所有期間が5年を超える土地や建物の場合:課税価格×15%
  • 所有期間が5年未満の場合:課税価格×30%

復興特別所得税

  • 基準所得税額×2.1%

住民税

  • 所有期間が5年を超える土地や建物の場合:課税価格×5%
  • 所有期間が5年未満の場合:課税価格×9%

印紙税

  • 100万円超500万円以下:本則税率2,000円/軽減税率1,000円
  • 500万円超1,000万円以下:本則税率10,000円/軽減税率5,000円
  • 1,000万円超5,000万円以下:本則税率20,000円/軽減税率10,000円
  • 5,000万円超1億円以下:本則税率60,000円/軽減税率30,000円

登録免許税

  • 抵当権抹消:不動産1件につき1,000円

住宅ローン返済手数料

※売却する不動産にローンがある場合、一括返済にかかる手数料

  • 0円~55,000円程度(金融機関によって異なります)

買主に対してかかる税金・費用

印紙税

  • 100万円超500万円以下:本則税率2,000円/軽減税率1,000円
  • 500万円超1,000万円以下:本則税率10,000円/軽減税率5,000円
  • 1,000万円超5,000万円以下:本則税率20,000円/軽減税率10,000円
  • 5,000万円超1億円以下:本則税率60,000円/軽減税率30,000円

登録免許税

  • 売買による所有権移転:不動産の価格×2%(土地は1.5%、中古住宅は税率0.3%)
  • 抵当権設定:債権額×0.4%(軽減税率:新築住宅0.1%、中古住宅0.1%)

不動産取得税

  • 取得した不動産の価格×3%(非住宅は4%)

※不動産取得税の控除に関しては親子間の売買だからといって、除外されるということはございません。

売主・買主両方にかかる可能性のある税金・費用

これらの税金・費用の他、不動産会社に依頼する場合は仲介手数料が売主・買主ともにかかります。

手続きを司法書士に依頼する場合は司法書士依頼費用は買主が持つことが多いです。

仲介手数料(上限額)

  • 取引額200万円以下の金額:取引額の5%以内
  • 取引額200万円を超え400万円以下の金額:取引額の4%以内
  • 取引額400万円を超える金額:取引額の3%以内

※別途、消費税がかかります。

司法書士依頼費用

  • 相場:10,000円~100,000円程度

不動産を親子間売買する際の注意点も知っておこう

アラート

不動産を親子間売買する際には注意点があります。

損をしてしまったり、トラブルに発展してしまったりするおそれもあるため、注意点はしっかりと把握しておきましょう。

住宅ローンを借りるのが難しい

親子間売買は先でも述べましたが、金融機関の住宅ローン審査が非常に通りにくいです。

住宅ローン以外の資金調達方法も考えておく必要があります。

個人売買が可能だからと先に金融機関にローンの申し込みをせず、まずは不動産会社にご相談いただくことをおすすめします。

マイホームの3000万円控除等の減税措置が使えない

親族間売買ですと、相続・贈与に準ずるため、マイホームの3000万円控除の特例が適用されません。通常の譲渡所得税の計算になります。

相続時を想定した対応が必要

不動産は相続の対象になることから、トラブル防止のために相続人には売買について話をしておきましょう。

売買を行う親子間でも契約書を作成し、正規の手続きに則って売買契約を結んでおくと「言った・言わない」のトラブルへの発展するのを予防できます。

不動産の親子間売買はメリットもあるが注意点もある

不動産の親子間売買は、売買までの期間が短くて済むことや相続の対象となる不動産を整理しやすいこと、売却方法を自由に設定できること、贈与税を払うよりも税金が抑えられる可能性があることなどメリットが多いです。

親子間売買は一般の売買と手続きの流れや、売買にかかる税金・費用はほとんど変わりませんが、控除や特例を利用できないこともあります。

親子間売買では住宅ローンの審査が厳しく、売却価格によっては「みなし贈与」とされ、贈与税を課税されることもあります。

相続トラブルに発展することもあるので、契約書を作成し、適切な手続きでの不動産売買をされることをおすすめします。

北見市や周辺での不動産売却なら「しろくま建物管理」にお気軽にご相談ください。

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